抗エイズ薬耐性HIV流行対策の為のアジア・ラボネットワーク
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概要
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近年,発展途上国にて抗エイズ薬治療の普及が強力に推進されている。タイでは,ジェネリック薬「GPOvir(d4T,3TC,nevirapine合剤)」の国内生産が開始され,2003年よりGPOvir治療が国内で急速に普及した。さらに,同治療薬は近隣国へも広く普及する可能性が高い。一方,患者カウンセリング・治療効果モニタリング法が確立されないまま薬剤治療が普及すると,薬剤耐性ウィルスが蔓延する可能性が高く,将来薬剤治療が効かない患者が増えてくることが憂慮される。薬剤耐性ウィルスの拡大を防ぐためには,薬剤耐性ウィルスを検出できる検査技術の普及が必須であるが,現在の検査はコストが高く普及は難しい。また,サブタイプ間で薬剤耐性変異パターンが異なる可能性があるが,タイ・カンボジア・ベトナム・ミャンマー・ラオスに流行するHIV-1サブタイプ"CRF01_AE"について,薬剤耐性変異に関する情報は限られている。国立感染症研究所では,CRF01_AE薬剤耐性ウィルスを高感度で検出する低コストの検査方法(MS-PCR)を開発した。そこで,本研究活動では, 1)HIV-1 サブタイプ CRF01_AEの抗エイズ薬剤耐性変異の特徴を明らかにする。2)タイ・ベトナムにおける薬剤耐性HIV-1の流行状況を把握することを目的とした。
- 長崎大学の論文