超高磁場拡散強調磁気共鳴画像法による視神経軸索機能の定量的評価
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概要
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【目的】視神経疾患の診療において軸索機能を評価するために磁気共鳴画像法(MRI)は今や必須と言える検査法であるが,現在用いられている撮像法では定量性に乏しいという欠点が存在する.本研究は視神経の軸索機能を,超高磁場拡散強調MRIを用いて定量的に評価することを目的とした.【方法】片側急性視神経炎患者5名と片側慢性視神経症患者6名と正常被験者16名を対象とした.それぞれの被験者の両側視神経に設定した関心領域でtrace値(神経線維の微細構造を含めた軸索機能の変化を示す)を測定した.【結果】片側急性視神経炎患者の患側視神経のtrace値は正常被験者に比べ有意に低かった.一方,片側慢性視神経症患者の患側視神経のtrace値は健側視神経および正常被験者に比べ有意に高かった.【結論】患者の視神経において,病態の相違がtrace値の変化の相違として観察された.これらの結果は軸索炎症の指標および軸索変性の指標が非侵貧的に,かつ定量的に測定可能であることを示している.超高磁場拡散強調MRHこよりtrace値を測定することで,視神経の軸索機能を定量的に評価することが可能となると考えられ,臨床的に有用と思われる.
- 2005-08-10
著者
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植木 智志
新潟大学大学院医歯学総合研究科視覚病態学分野
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植木 智志
新潟大学 大学院医歯学総合研究科眼科
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植木 智志
新潟大学大学院医歯学総合研究科生体機能調節医学専攻感覚統合医学講座視覚病態学分野
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