意味論的情報の量化の可能性と限界
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概要
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「情報」という概念は,情報理論の対象としては量的概念であるが,意味論の対象としては質的概念である.一般に自然言語で表現されるものは意味論的(質的)内容をもっているが,このような自然言語の意味論的情報を情報理論によって量化することの可能性とその限界について,「意外性」と「個人の情報空間」という視点から考察することが本稿の意図である.結論的には,量的情報と質的情報は「意外性」という基本概念において通底性があるため,この基本概念を基準として自然言語の量化は可能である.しかし,それが可能なのは,自然言語の(1)音素や文字などの非意味論レベル,(2)形態素,語,文などの意味論レベル,(3)実際の使用という語用論レベルという3つのレベルのうち,(1)のレベルに限定される.(2)と(3)のレベルにおいてそれが困難である理由は,「個人の情報空間」の量化に限界があるからである.
- 関西大学の論文
- 2005-07-15
著者
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