「愛・地球博に見る新技術とロボットプロジェクト」
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概要
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2005年に愛知県で「自然の叡智」をテーマに開催された"愛・地球博"では、会場の施設やエネルギー供給システム、交通システム、情報サービスなどにおいて、最新の技術を用いた実験的な試みが数多く行われた。特に、実用化段階を迎えた次世代ロボットが博覧会場で実際に働く「ロボットプロジェクト」は、我が国のロボット技術の水準の高さを世界に示す取り組みとして大きな注目を集めた。こうした取り組みによって多くの一般生活者が具体的な未来像を共有したことは、産業の発展にとって重要な意味を持つと言える。現在のような成熟社会においては、新技術が製品として市場を創造するまでには消費者の心理に新たなニーズを生み出すことが重要なアプローチとなる。愛・地球博では、最新のロボット技術を大勢の一般生活者が目の当たりとした。ここで体験したことが、いずれロボットが製品化された際に購買行動を後押しすることは明らかである。ロボットに限らず新技術が新たな産業として発展するためには、政府の研究助成は成果普及と予め組み合わせた制度とするなど、産学官が連携して市場創造に積極的に取り組むことが望まれる。
- 2006-02-03