韓国済州道土壌の理化学性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
済州道土壌の物理学的特性(仮比重および固層率) 仮比重0.85以下は16土壌統、27土層である。それらの中で、最も大きいのが0.72g/ccで、最も小さいのが0.41g/ccである。固層率15〜23未満は8土壌統、14土層である。それらの中で、最も高いのが松堂統の22.3で、最も低いのが黒岳統の15.1である。済州土壌の化学的特性 1) A層の主な化学的特性 pH(H_2O)は4.3〜8.3である。pH(H_2O)7より低い酸性の土壌統が全体の93.7%、pH(H_2O)6未満の土壌統が76.2%をそれぞれ占めている。有機物含量は1.66〜25.6%である。63土壌統の中で36土壌統が5%以上で、全体の57.1%を占める。塩基置換容量は3.0〜43.1me/100gである。63土壌統の中で7土壌統が30me/100g以上で全体の11.1%を占める。置換性塩基Caは0.17〜21.75me/100gで63土壌統の中で35土壌続が5me/100g以下上で、全体の55.6%を占める。置換性塩基Mgは0.15〜5.80me/100gである。63土壌統の中で33土壌統が2.0me/100g以下で、全体の52.3%を占める。置換性塩基Naは0.04〜2.4me/100gである。63土壌統の中で57土壌統が0.5me/100g以下で、全体の90.4%を占める。置換性塩基Kは0.05〜4.25me/100gである。63土壌統の中で57土壌統が1.0me/100g以下で、全体の90.4%を占める。塩基飽和度は0.15〜766.7%である。4土壌統が100%を超し、63土壌統の中で30%以下が30土壌統で全体の47.6%を占める。有効態リン酸は1〜483ppmである。63土壌統の中で50ppm以下が43土壌統、100〜50ppmが9土壌統で、全体の68.2%、0.14%をそれぞれ占める。リン酸吸収係数は116〜2,992mg/100gである。1,500mg/100g以上の土壌統が33土壌統で2,000mg/100g以上の土壌統が26土壌統で、それぞれ63土壌統全体の52.3%、41.3%を占める。2) B層の主な化学的特性 pH(H_2O)の値は4.4〜7.5である。52土壌統中32土壌統がpH(H_2O)6.0未満で、全体の61.5%を占める。有機物含量は0.31〜22.24%で、52土壌統の中で24土壌統が5%以上で、全体の46.2%を占める。塩基置換容量は7.60〜40.2me/100gで、52土壌統の中で21土壌統が20me/100g未満であり全体の40.3%を占める。置換性塩基Caは0.06〜35.5me/100gで、52土壌統の中で10.0me/100以下は38土壌統で全体の73.0%を占める。置換性塩基Mgは0.16〜11.35me/100gで、52土壌統のなかで46土壌統が4mg/100g以下で、全体の85%を占める。置換性塩基Naは0.08〜2.20me/100gで、52土壌統の中で46土壌統が0.5me/100g以下で全体の85%を占める。置換性塩基Kは〜1.55me/100gで52土壌統の中で49土壌統が0.6me/100g以下であり全体の94.2%を占める。塩基飽和度は3.9〜159.9%で、51試料の中で40%以下が30土壌統、20%以下が17土壌統で、全体の58.8%、33.3%をそれぞれ占める。有効態リン酸は4ppm〜381ppmで、52土壌統の中で、100ppm以上が3土壌統で、50ppm〜100ppmが3土壌統で残りの46土壌統は50ppm以下となっており全体の88.6%を占める。リン酸吸収係数は230〜3,036mg/100gで、52土壌兢の中で1,500mg/100g以上が23土壌統、2,000mg/100g以上が31土壌統で、59.6%、44.2%をそれぞれ占める。3) C層の化学的特性 pH(H_2O)の値は4.4〜8.3である。39土壌統の中で、pH(H_2O)6以下が19土壌統で、全体の48.7%を占めている。有機物含量は0.24〜29.51%で、39土壌統の中で31土壌統が5%以下で、全体の79.5%を占める。塩基置換容量は2.10〜50.35me/100gで、39土壌統の中で20.0me/100g以下は29土壌統で、全体の74.4%を占める。置換性塩基Caは0.08〜36.00me/100gで、39土壌統の中で34土壌統が10me/100g以下、25土壌統が5me/100g以下で、全体の87.2%、64.1%をそれぞれ占める。置換性塩基Mgは0.08〜12.20me/100gで、39土壌統の中で33土壌統が4.0me/100g以下で、全体の74.4%を占める。置換性塩基Naは0.08〜3.10me/100gで、39土壌統の中で27土壌統が0.5me/100g以下で、全体の69.2%を占める。置換性塩基Kは0.06〜9.0me/100gで、39土壌統の中で37土壌統が1.0me/100g以下で、全体の94.9%を占める。塩基飽和度は4.4〜2277.2%である。100%を超る2277.2%、463.3%、134.0%および111.0%が4土壌統ある。39土壌統の中で15土壌統は50%以上で、13土壌統が20%以下で、全体の38.5%、33.3%をそれぞれ占めている。有効態リン酸は2〜465ppmである。39土壌統の中で50ppm以下が33土壌統で、全体の84.6%を占める。リン酸吸収係数は、116〜3,168mg/100gである。1,500mg/100g以上は18土壌統で2,000mg/100g以上の土壌統は14土壌統で、39土壌続全体の46.2%、35.9%をそれぞれ占める。以上、済州道の火山灰土壌の理化学性と日本のそれとを比較すると、両者間で、類似点が多いことが分かる。そこで韓国済州島の火山灰土壌の土壌保全および土壌改良については、日本と同様の方法を採用することが最良の方策だと思料される。
- 沖縄国際大学の論文
- 2005-03-31
著者
関連論文
- ジャーガルとその母材に関する研究 : (第 4 報)沖縄本島, 具志頭村具志頭および中城村新垣土壌(層)断面の粘土鉱物(農芸化学科)
- 韓国済州道土壌の理化学性
- 生体内で晶出する鉱物 : 膀胱結石の科学的および鉱物学的特性
- アルカリ骨材反応に関する研究 : 亀甲状ひび割れを生じたコンクリートの骨材の鉱物学的特性について
- 沖縄の酸性雨に関する研究 : (第1報)沖縄県本島に降る雨のpHおよび硝酸イオンの含有量について
- アルミニュウムの腐食に関する研究 : (第1報)コンクリートの溶出成分によるアルミサッシの腐食反応と反応生成物の化学組成および鉱物組成について
- 3-8 土壌中に風化礫状に産する含鉄マンガン沈積物の鉱物特性(3. 土壌鉱物および膠質複合体)
- 3-12 同一土壌断面中に異なる形態で産出するマンガン酸化物の特徴(3.土壌鉱物および膠質複合体)