政策ネットワークと中心性分析の関係性の考察(事例分析,<特集>ネットワーク生態学〜生命現象から社会文化現象の新しいパースペクティブ〜)
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概要
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政策科学の領域で,実態の記述,政策評価といった問題において,ネットワーク構造を利用した分析が必要になってきている.実態では,多数の政治アクタが政策過程に参加するため,その関係を正確に記述するためネットワークの考えを必要とし,分析では,情報政策や住民参加のような新しい政策の分析手法にネットワークの考えを必要とした.政策の記述では政策ネットワーク論,分析では社会ネットワーク分析が使われてきた.しかし,この2つの方法論は1つに統合されることがなかった.そこで,本論文では社会ネットワーク分析で用いられる中心性の概念を基に,政策ネットワーク論の類型を整理し,中心性の指標から,政策評価と政策ネットワークの記述を可能にした.また,近接中心性や次数中心性は政策参加アクタの作るネットワーク構造の評価しかできないので,ネットワーク内を流れる情報量も評価できる拡張近接中心性という指標を考案して,エコマークを事例に分析を行った.結果,これまでできなかった情報政策での情報流通機能の評価ができるようになった.また,拡張近接中心性の指標は,構造評価しかできない近接中心性や次数中心性だけの分析では得られない結果を導き出し,生産に関わるアクタが消費に関わるアクタよりも中心的な役割を果たすことが分かった.
- 2006-03-15
著者
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