看護学生における職業意識と応答態度の分析
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概要
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近年,看護の現場をとりまく状況はさまざまに変化している.テクニカルな側面を重視するあまりの人間性の疎外やゆとりのもてない勤務状況・多忙さなど多くの問題が指摘され,ナーシング本来の意義が薄れることが懸念されている.こうした現実のなかで,看護学生は,どのような期待をナースという職業に求め,またどのように職業意識を形成していくのであろうか.本研究では,看護学生の看護場面における応答態度と職業的同一性について検討をおこなった.その結果,応答態度については,看護学生は一般の短期大学生に比較して,評価的態度の出現が抑えられ,相手を受容し傾聴する態度が早い段階から形成されることが示された.一方,職業的同一性の確立と応答態度との関連性を検討した結果,明確な関連性は指摘できなかった.こうした関連性は,実際にナースの職務に就き,経験を積み重ねていくなかで次第に明確になっていくものであることが示唆された.
- 2001-04-01