遺伝子改変マウスを用いた熱ショック転写因子群の機能解析(中村賞受賞者)
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概要
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熱ショック転写因子(HSFs)は,一群の熱ショック蛋白質の発現制御に関わる転写因子群である.哺乳動物細胞では3種類のHSF (HSF1, HSF2, HSF4)が存在している.遺伝子欠損マウスの解析からHSF1は卵成熟に必須で,HSF2は精子形成や脳形成に関与していることが知られている.しかしながら,HSF1とHSF2がどのような遺伝子の発現制御を介して発生過程に関与しているのかまったく明らかにされていない.一方,HSF4は脳や肺など多くの組織で発現しているが,熱ショック応答にはほとんど関与しておらず,その生物学的意義は明らかにされていなかった.最近,ヒトの遺伝性白内障の原因遺伝子としてHSF4が同定され,HSF4欠損マウスも白内障を起こすことが判明した.本稿では,HSF欠損マウス解析からわかったHSFファミリーの新しい生理機能と分子機構について概説する.
- 2006-02-28
著者
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