NIE実践授業の学習デザインに関する一考察 : メディアリテラシー修得を目的とした研究授業の事例
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概要
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近年、各メディアからの情報を主体的に判断し、発信伝達できる能力や情報モラルが若年層に求められている。メディアリテラシー教育としてのNIE実践授業は、<メディアを使いこなし、メディアの提供する情報を読み解く能力>を育む学習方法として有効である。沖縄尚学高等学校附属中学校の特設科目「情報基礎」では、スキル中心の情報教育ではなく、情報コンテンツを重視して、授業カリキュラムにデジタル的な作業(Web制作)にアナログ的な作業(新聞分析)を取り入れた。2003年度より適用された新高等学校指導要領では、高等学校の普通教科「情報」の目標を、小学校での<総合的な学習の時間>における情報分野の取り組み、中学校での技術・家庭「情報とコンピュータ」といった情報教育の取り組みと合わせた形で、(1)情報活用の実践力、(2)情報の科学的な理解、(3)情報社会に参画する態度、という三つの観点から養成することを掲げている。本教科「情報基礎」の学習領域は、高等学校の普通教科「情報C」の基礎部分にあたる。情報活用の能力のうち、今後重要視される能力は、活字メディアからの情報コンテンツの受容能力とデジタルメディアを使った表現能力であろう。そこで特設科目「情報基礎」では、メディアにおける情報発信者としての恣意性と情報受信者としての読み解く能力を多面的に理解させることを目標とした研究授業を展開した。NIE教育の新たなる展開として、実践の対象を、中等教育(中学校・高等学校)だけでなく高等教育(大学)にまで拡大することが望ましいと考える。
- 沖縄大学の論文
- 2004-03-31