ダウン症児の生活行動の改善をめざした支援 : 「セルフエスティーム」を高めることを通して
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概要
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本稿は、ダウン症児の"かたくなな態度"を彼らのセルフエスティームが低められた結果生じるものであると考え、その態度や生活行動の改善をめざした事例を報告する。実践報告では、養護学校に在籍している知的水準は高いものの身体を清潔にすることを面倒がってしまう生徒に、発音指導や日常生活の指導において、「できた」という自信や達成感を持たせることでセルフエスティームを高めるようにした。このことにより対象児は今まで「やったつもり」であったことを注意されることで、存在そのものまでも十分に認めてもらえていなかったと感じていたと思われるが、それらが支援により積極的な生活態度に改善された。このように障害児教育においても「セルフエスティームの向上」という視点を持つことが大切であることが再確認された。