液肥樹上散布がウンシュウミカン園の土壌特性と樹体栄養ならびに果実の収量・品質に及ぼす影響(土壌管理・施肥・灌水)
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概要
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愛媛果試の圃場において,高接ぎ11年生ウンシュウミカン'日南1号'(台木はカラタチ,中間台は'南柑20号')を供試し,試験区として水溶性粉末複合肥料(窒素15%,燐酸15%,加里10%)の300倍液を1週間〜10日置きに3月上旬から3月下旬にかけて3回(窒素7kg/10aを3回均等分施),10月上旬〜11月上旬にかけて5回(窒素13kg/10aを5回均等分施),樹上散布する液肥区を設定した.散布においては,動力噴霧器と散水用ホースを用い,スプリンクラーかん水に近い葉の濡れの状態を作り出した.対照区として,粒状有機配合肥料(窒素成分を8〜10%含む)を用い,10a当たり窒素量で3月上旬7kg,10月上旬8kg,11月上旬5kg,土壌に全面施用する有機配合区を設定した.また,両区それぞれの時期の施肥量を30%削減し,液肥減肥区,有機減肥区とした.液肥を施用した区の土壌EC並びに無機態窒素含量は,有機配合肥料を施用した区よりやや低い濃度で推移する傾向が認められた.SPAD値や葉窒素含量にも同様の傾向があったが,いずれの項目ともに有意差はなかった.単位樹冠容積当たりの収量および果実品質に対する影響は,両肥料同等であり,スプリンクラー施肥による大幅な施肥時間の短縮と,労働強度の軽減に期待がもてる.
- 2006-04-01
著者
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