ベーチェット病と重金属
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概要
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ベーチェット病(以下,BDと略)は,再発性口腔潰瘍,生殖器アフタ潰瘍,眼内炎,結節性紅斑とアクネ様皮疹を特徴とする原因不明の炎症性疾患である。血液中の重金属は,環境因子の原因物質として,あるいは病態を反映する指標として,最近の計測法の進歩や本病態における活性酸素の研究などにともない,BDとの関連性が指摘されつつある。この研究では,ICP発光分光分析装置を用いて,Se,Cr,Ni,Co,Pbを健康成人のcontrolとBD患者からのサンプルで比較した。患者群では,血液中にSe値が61.8±30.6ng/ml(平均値±標準偏差)と,対照の131.2±32.4ng/mlに比べ低値であり,その差は統計学的に有意であった(p=0.01)。このことは,SeがBD患者における炎症の活動性を反映していると考えられた。Cr, Co, PbではBD患者で高値を示す傾向があったが,有意差は認められなかった。Niでは差が認められなかった。
- 1997-10-31
著者
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