食行動の因子についての考察(第III報) : 家庭における卵の使用状況と卵料理のイメージ
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概要
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栄養教育に役立てるために、食生活の現状や食行動を規制する因子を知りたいと考えて昭和51年12月〜昭和52年1月に283名の男女を対象にアンケートを実施し、集計の結果下記のことがわかった。1)家庭における卵の使用頻度は「ほとんど毎日たべる」約60%、「1週間に4〜5回たべる」約31%で卵の使用頻度が非常に高いことを示している。家族構成別では三世代世帯、夫婦と発育期の子女を含む世帯の使用頻度が高く、夫婦のみの世帯では低い。年収別ではあまり差は認められなかった。2)家庭における卵料理の状況は平均4.25(男子4.0、女子4.5)の料理名が記入され、卵料理が日常よく利用されていることを示している。出現した料理は茶碗蒸し、オムレツ、卵焼の順であり、夫婦のみの世帯の卵料理の出現率は他に比較して低い。年収別には大きな差はみられない。3) 5種の卵料理のうち芙蓉蟹は既知率、喫食率共に低く、調理のできる者も低率であった。男子が作れるのは目玉焼、かき玉汁、オムレツの順で、女子はいずれも高率で、卵料理がよく家庭で調理されていることがわかった。4)卵料理の伝承状況は男子では「自然に覚えた」が多いが、女子ではかき玉汁、茶碗蒸し、オムレツは母から教えられており、料理の伝承に家庭生活が重要であることを示している。中国料理の芙蓉蟹は「料理の本」が多く他の料理とは異なった習得をしている。5) S. D.法による卵料理のイメージはいずれも比較的に好まれており、「栄養がある」と考えられている。芙蓉蟹と茶碗蒸しには、「高価、来客向、ぜいたく、めんどう」のイメージがあり、目玉焼とかき玉汁は「安価、日常向、質素、手軽」でパターン類似率は、0.983であり、芙蓉蟹とオムレツのパターン類似率は0.981であった。
- 賢明女子学院短期大学の論文
- 1978-03-30
賢明女子学院短期大学 | 論文
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