青果物の品質保持に関する研究(第2報) : 低温障害に伴なうナスのペクチン含量の変動
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概要
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本研究はナスの低温障害の一つである果皮のpittingに注目し, pittingの発生に伴なう果実のペクチン物質(プロトペクチン,ペクチン,ペクテイト抽出物)の変動を調査することによりpittingの発生の要因を追求したものである.(1)ナスを1℃の低温下と20℃の対照区に貯蔵すると,1℃下では低温障害症状の一つである果皮のpittingの発生以前に不溶性であるプロトペクチンは減少し,障害が非常に拡大した時期にはかなり低下することが明らかとなり,逆に可溶性ペクチンならびにペクテイト抽出物は増大することが認められ,ことにペクテイト抽出物の増加はとくに顕著であった.一方20℃果では一般の果実の軟化現象と同じく,不溶性ペクチンが減少し,可溶性ペクチンならびにペクテイト抽出物が増加し,果肉の軟化の著しい貯蔵10日後では異常に増大した.(2)1℃-2日貯蔵,1℃-4日貯蔵,1℃-7日貯蔵果を20℃に昇温10,20,30,40時間後のペクチン物質の変動を調べると,1℃-2日,1℃-4日貯蔵果ではプロトペクチンが漸減し,逆に可溶性ペクチンの増加することが認められた.ペクテイト抽出物については1℃-2日果では経時的には変化は認められなかったが,1℃-4日果では急速に減少することがわかった.なお1℃-7日果ではプロトペクチンはまったく検出されず,可溶性ペクチンは経時的に減少し,逆にペクテイト抽出物は増大した.
- 賢明女子学院短期大学の論文
- 1976-03-31
賢明女子学院短期大学 | 論文
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