PERIFLUX BLOOD FLOW 反応パターン解析を応用した新自律神経機能検査法の確立並びに臨床応用に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
レーザードップラ一皮膚血流量計(PLDF)を用いて手指皮膚毛細血管血流量(PBF)を測定し,自律神経機能の検討を行った。PLDFは2mWのHe-Neレーザーを使用し,PBFを直接的,連続的,非観血的に測定しうるものである。健常者150名と糖尿病患者100名を対象とした。PBF測定は20-25℃の室温下で5分以上の安静後坐位にて施行した。このPLDFを用いて,坐位安静から速やかに起立させる起立負荷テストおよび、最大吸気時に腹圧をかけた状態で10秒間の呼吸停止をさせる,いわゆるValsalvaテスト施行時のPBF反応パターンの変動を解析した。起立負荷テストでは判定指標としてRT,ODRを用い,これらはSchellongテスト時の血圧および脈拍数変動と良好な相関を示した。Valsalva テストではPDVを判定指標とし,深呼吸時の心拍変動係数(BBV)と良好な相関がみられた。起立負荷テストでは,健常者の95%が基本反応型を示したが,糖尿病患者のRTは遅延,ODRは低下し,回復遅延型27%,不完全回復型23%,その他の反応型3%と異常反応型が約半数に認められた。Valsalvaテストでは,健常者のPDV値が132±41mV/sec (mean±S.D.)であるのに対し,糖尿病患者では77±48mV/secと有意の低下が認められ,その異常出現率は46%(93名中43名)であった。以上,起立負荷テストおよびValsalvaテストにおけるPBF変動の観察は簡便有用な新しい自律神経機能検査法として臨床応用しうるものと考えられた。
- 神戸大学の論文
著者
関連論文
- PERIFLUX BLOOD FLOW 反応パターン解析を応用した新自律神経機能検査法の確立並びに臨床応用に関する研究
- ホルモンのcarbamylationとその生物活性に及ぼす影響
- Effect of pH on Glycosylated Hemoglobin Synthesis