サーモスケープ解析による市街地のグリーンストラクチャーの特徴に関する研究
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概要
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本研究では,夏期に市街地の広域的な範囲におけるサーモスケープの時間的変化を赤外線放射カメラを用いて計測し,得られた画像情報を解析することによって表面温度域分布及びその空間的変化を明らかにした.対象地域は東京都練馬区とし,計測地点は高さ約100mの区役所の屋上に設置されたヘリポートの面とした.分析の結果,35℃より低い温度帯を低温域とすると,低温域は正午まで15%程度まで減少し,対照的に45℃以上の高温域は50%程度に拡大することがわかった.午後1時以降曇天となったために低温域は急速に拡大し,特に緑の多い低層住宅地を形成している南側地区では2時までの間に低温域は80%を超えた.中高層ビルが多く混在する東側地区では,その比率は低く40%程度であった.また,安定低温域の典型である要素のうち,樹冠についてみると,街路樹状の場合よりも,樹林状の場合のほうがより低い温度域を形成していることがわかった.
- 千葉大学の論文
- 1995-03-30