バラの花芽分化と開花枝との関係
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概要
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12種,8変種,2種間交雑種および29品種のバラを用い,花芽分化期を形態学的に観察した.また,34種,22変種,7種間交雑種および82品種のバラを用い,開花枝の節数,長さを調査した.さらにこれらのバラにつき開花期を調査し,各形質相互の関係を検討した.調査したすべてのバラで,花芽分化は開花当年の萌芽とともに開始し,およそ40日から60日で発達を完了していた.開花枝の諸形質のうち節数は,他形質に比べて開花枝間の変異が小さく安定し,種および品種で固有であると思われた.種では,節数は開花開始日と有意な正の相関(r=0.712)があり,節数が多いほど開花が遅かった.現代の栽培バラ系統は,節数の増加とともに節間長が長くなり,シュートが強勢になるように育成されてきたと考えられた.また,種および品種によっては四季咲き性と一季咲きの中間的な開花性を示すものがあり,これらのバラでは開花枝の長さの割に節数が多いのが特徴であった.
- 千葉大学の論文
- 1992-03-25