震災復興小公園の変容にみる改造の契機とその過程
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概要
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震災後東京都に建設された52ヵ所の復興小公園は1926年〜1931年において一挙に設置されたものであり,これが後の都市公園または児童公園のモデルとなった.小学校と隣接するこれらの小公園は設置されてからすでに半世紀以上経過しているが,現在にいたるまでに様々な社会的評価をうけ,また社会的要請から公園が改造されてきた.本稿では小公園の変容(社会的な位置づけおよび具体的な改造)の過程を通じて,その特徴と問題を明らかにした.52小公園が戦後に都から区へ移管されてから,ほとんどの公園が1-2度の改造をうけている.この改造過程の考察から,第1次改造期では限定された小空間に対する多岐にわたる機能要請が具体的には施設の過剰な投入という結果となったこと,第2次改造期では広場の回復という点から大型の遊具などをとりはらう傾向がみられることがわかった.さらに公園敷地の占用をめぐる隣接学校との用地問題が半世紀を経た今なお解決されていないことなどが指摘されうる.
- 千葉大学の論文
- 1985-03-30