生活環境水系におけるLegionella属菌の汚染調査
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概要
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医学原論演習の一環として生活環境水系のLegionella属菌汚染調査を実施した。対象とした生活環境水のうち全国から採取された温泉水46検体中28検体(60%),24時間循環風呂浴槽水4検体中3検体(75%)からLegionella属菌が検出された。検出された菌の血清型別は,温泉水ではL. pneumophila血清群のI型(14%),II型(2%),III型(8%),IV型(39%),V型(17%),VI型(11%),L. dumoffii (5%)およびL. micdadeiとL. gormaniiが2%であった。また,24時間循環風呂浴槽水ではL. pneumophila血清群のI型(63%),III型(31%)そしてL. gormaniiが6%であった。検出される生菌数は10^2〜10^3 cfu/100mLであった。Legionella属菌汚染24時間循環風呂について次亜塩素酸ナトリウム消毒を実施した結果,その前後で検出されるL. pneumophila I型とIII型の優占性は同じであったが,PFGEパターンによる遺伝的解析では異なるパターンを示した。これらの成績から,生活環境水系の中でも温泉水や24時間風呂浴槽水においてLegionella属菌汚染が広がっており,一旦汚染された浴槽水環境は消毒してもすぐにLegionella属菌の汚染を受けてしまうことが明らかにされた。
- 北里大学の論文
- 2003-02-28