細菌感染に対する貪食細胞の機能的役割に関する研究 : 好中球浸潤とアポトーシス誘導の意味について
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概要
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S. aureus, E. coli, S. enteritidis, Y. enterocoliticaの腹腔内感染マウスモデルを用いて各種細菌の感染初期における好中球とマクロファージの浸潤動態と好中球のアポトーシス誘導が感染防御反応にどの様に関わっているか検討した。その結果,S. aureusでE. coliは大量に滲出してきた好中球によって感染局所から速やかに殺菌排除されたのに対して,S. enteritidisやY. enterocoliticaは好中球によって殺菌されず感染を持読させた。感染局所に浸潤した好中球はアポトーシスを惹起されたがY. enterocoliticaだけは顕著に抑制された。以上の成績から,細胞外寄生細菌に対して生体は貪食・殺菌後速やかにアポトーシスを誘導して感染を終息させる。一方,細胞内寄生細菌は好中球による殺菌を免れながらアポトーシス誘導を制御し,その後に起こる生体反応を抑えて感染の拡大を図る特性を持つことが明らかになり,これらの細菌の感染に対して生体はこの様な急性期の反応では十分に対応することができないことが確認された。
- 北里大学の論文
- 2003-02-28
著者
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