食道音声話者における無声摩擦音/s/, /〓/生成時の構音に関する研究
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概要
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本研究の目的は習熟した食道音声話者(上級ES者)の無声摩擦音生成時の構音動態を,健常者と比較,分析することにより明瞭度の高い食道音声を獲得するための訓練方法を検討することである。まず,13名のES話者を習熟度別のグループに分け,日本語の18種類の子音を/a/+子音+/a/の構成で発話させた。聴取結果から各子音の正聴率を算出した。上級ES者においては,無声摩擦音/s/,/∫/の正聴率が健常者と同程度に高かった。上級ES者3名の無声摩擦音/s/,/∫/生成時のダイナミックパラトグラフィ(KAY)による舌・口蓋接触の記録,解析結果では,舌・口蓋接触はプレートの最前部を除いて,上級ES者が健常者に比して有意に高かった。この結果は,上級ES者が少量の空気の供給で摩擦音を効果的に生成するために,舌・口蓋接触の程度を高める方略を習得することを示唆し,その方略は明瞭度の高い食道音声獲得のための構音訓練に適用できると思われた。
- 北里大学の論文
- 2001-10-31
著者
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