モルモット大腸粘膜におけるCl^-分泌とCa^<2+>の役割
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概要
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消化管における大腸の役割は,摂取した食物を小腸において消化・吸収した残りの粥状内容物から,水分・電解質を吸収し適度な固さの糞便を形成することである。生理的な条件では,大腸粘膜における水分・電解質の吸収量が,粘膜上皮細胞の溶液分泌量より多い。しかし,さまざまな病的状態では大腸粘膜は溶液分泌を亢進させ,分泌量が吸収量をはるかに凌駕し糞便は粥状のまま体外に排出される。例えば,消化管内の細菌感染およびそれに起因する毒素産生(感染性下痢),食物アレルギー(アレルギー性下痢),消化不良や乳糖不耐症(浸透圧性下痢),消化管粘膜叢の自律神経系の過剰な興奮(神経性下痢)などに分類される。本研究では,神経性下痢の主要な原因の一つと考えられる大腸粘膜のCl^-分泌亢進における細胞および細胞内機序を明らかにした。
- 北里大学の論文
- 1999-12-31