ラット海馬CA1領域において低Ca^<2+>,高K^+で誘発されるてんかん様活動に伴う神経細胞内Ca^<2+>オシレーションの同期,伝播現象について
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概要
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てんかんの発生機序としてシナプス伝達機構の変化や神経回路網の異常のほか,シナプス伝達を介さないメカニズムの関与も知られている。細胞外イオン濃度を低Ca^<2+>,高K^+にすることにより生じる化学的シナプス伝達抑制下のてんかん様活動と海馬CA1神経細胞内Ca^<2+>濃度との関わりをラット培養海馬切片のカルシウムイメージングにより調べた。その結果,各神経細胞ごとに細胞内Ca^<2+>濃度が律動的に規則正しく変動する細胞内Ca^<2+>オシレーションが徐々におこり,最終的に細胞群としての同期現象とその伝播が観察された。同期現象は細胞外field電位におけるnegative shiftの出現時期と一致した。細胞内Ca^<2+>濃度の上昇は,CA1錐体細胞層を横断性に伝播し,速度は概ね4.2〜6.8mm/minであった。薬理実験から,これらの現象に電位依存性カルシウムチャネルとgap junctionが関与することがわかった。低Ca^<2+>,高K^+で誘発されるシナプス伝達を介さないてんかん様活動に伴う神経細胞内Ca^<2+>オシレーションの同期,伝播現象にグリア細胞の活動が関与することが示唆された。
- 北里大学の論文
- 1999-12-31
著者
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