SUS316Lステンレス鋼とCo-Cr-Mo合金溶解液の体内残留と排泄
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概要
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体内に埋植される金属は,耐食性,耐摩耗性に優れていなければならない。生体内でのインプラントの不動態膜維持能と不動態膜が壊れた際の溶出金属の毒性の強さや代謝経路を把握する必要がある。今回,インプラント金属であるSUS316L S. Steelとコバルト合金の腐食液を1.2mg/5mlの濃度で,pH4,6,8に調節作製し,ラット腹腔内と膝関節内に注入した。1週間後屠殺し,各金属イオンの排泄量(尿中)と残留量(肝,管,肺,脾臓)を測定した。腹腔内注入群では,Feの排泄が少なく,Ni,Cr,Co,Moは排泄が非常に良かった。また,pH4の腐食液を注入した方が,pH8の腐食液より排泄が早く,排泄量が多かった。臓器残留は,特にCrが肝臓より多く検出された。また,pH8の腐食液を注入した方が,pH4の腐食液より残留量が多かった。膝関節内注入群は,排泄も臓器残留共に少なく,ほとんどが膝関節内に残存した。
- 北里大学の論文
- 1999-08-31
著者
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