癌患者腹水からの新しいがん発生蛋白の単離とそのアミノ酸配列分析
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概要
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研究グループの中居らは,ヒト胎盤中に新しい蛋白が存在し,この物質が妊婦血清中に著明に増加する妊娠関連蛋白であると共に坦癌個体の体液(腹水,血液等)中に増加する腫瘍関連蛋白でもあり,本蛋白は,がん発生蛋白の一つであることを示した。そして,本蛋白の精製や生化学的および免疫学的特性解析を進めると共に,臨床においては,特異抗体を用いた体液中濃度の微量測定法が産婦人科腫瘍の病態診断に応用が期待できることが分かった。今回,我々は本蛋白の分子構造分析および分子生物学的特性解析の進展のために,子宮体癌患者腹水より本蛋白の一分子種を純化単離し,そのN末端部分アミノ酸配列分析を行い,分析結果を既知蛋白データベースにより検索した。その結果,本蛋白と二種のカルシウム結合蛋白質とがアミノ酸配列の高い相同性を示すことが分かった。本研究結果は,この蛋白の生理活性物質としての特性解析がヒトの癌と初期発生の痛態生理の分子レベルでの解明のみならず,関連蛋白の基礎研究にも役立つことを示した。
- 北里大学の論文
- 1999-04-30
著者
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