環境問題と食生活 : 食品の廃棄および容器包装についての実態と意識
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概要
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食品に関わる廃棄物の処理および食品の容器包装材のリサイクル等が家庭の中でどのように行われているかを掌握し、今後の食教育に役立てるため、賢明短大生およびその家族114家族を対象に、実態および意識を調査し、95家族から回答が得られた。可食食品の廃棄については、「ほとんど捨てない」と答えた者は42.1%で、「ときどき捨てる」と答えた者は52.6%と半数を超えており、生ゴミを堆肥化してリサイクルしていると答えた者は29.5%であった。食品容器のリサイクル状況は、「缶」、「ビン」については、60%前後の者がリサイクルを実施していると答えており、「ときどき実施している」を加えると、70%前後の者が実施していることになり、「していない」と答えた者はいずれも15.8%であった。これに対し、一番実施率の低いのは「卵パック」の27.4%であった。「ペットボトル」、「牛乳パック」、「食品トレー」については、リサイクルを実施している者は37.9〜50.5%で、「ときどき実施」を加えても50.5〜61.0%、4分の1前後の者は実施していないと答えていた。実施していない理由は、面倒だからという理由が多かった。また、食品の容器包装についての意識は、「過剰包装食品は買わない」、「簡易・無包装食品を選ぶことが多い」とした者は、それぞれ全体の10.5%、11.6%に過ぎず、「意識せずに選ぶことが多い」と「関心がない」を合わせると全体の4割以上を占め、容器包装の簡素化に関して、関心が高いとは言い難い現実が明らかとなった。しかし、家庭での環境問題への取り組み状況を尋ねると、「取り組んでいない」と答えた者は一人もおらず、さらに、「環境と調和した食生活に必要なこと」を尋ねたところ、「考えることはない」とした者は1名のみで、ほとんどの者は環境に対して何らかの考え、あるいは考えるべきであるという気持ちを持っていることが伺えた。
- 賢明女子学院短期大学の論文
- 2000-03-20
賢明女子学院短期大学 | 論文
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