痴呆症の臨床 : 変性疾患とプリオン病について
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概要
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痴呆症対策は医療上のみならず社会的にも重要な問題である。変性疾患による痴呆症ではアルツハイマー型痴呆が最も多い。次いでレビー小体型痴呆が多いとされる。その他前頭側頭型痴呆,進行性核上性麻痺,大脳皮質基底核変性症などが重要な痴呆性変性疾患として挙げられる。それぞれの疾患には特徴的な症状や所見がみられるが,非典型的な例も多い。前頭側頭型痴呆の一部,進行性核上性麻痺や大脳皮質基底核変性症は異常タウ蛋白が神経細胞やグリアに蓄積することよりタウオパチーとして捉える考え方も一般化している。これらの病態解明はかなり進み,今後は治療に向かってのアプローチも期待される。一方クロイツフェルト・ヤコブ病を代表とするプリオン病は異常プリオン蛋白が中枢神経系に蓄積し,進行性中枢神経障害をきたす疾患と認識されている。感染症と遺伝病の両側面をもつ特異的な疾患群である。孤発性,感染性,遺伝性に分けられる。いずれも痴呆症が出現し,予後は絶対的に不良である。最近では異常プリオン蓄積を防ぐという疾患の本質にせまる治療的アプローチが検討されている。
- 日本保険医学会の論文
- 2004-12-17
著者
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