将来の診査時の臨床検査法の可能性
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概要
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日本経済はバブル崩壊後10年以上経過した現在も停滞したままであり,生命保険産業も今まで経験したことのないグロバリゼーション・競争激化・少子高齢化の環境下に置かれている。そのような環境下で大規模な社会保障制度改革が不可避的になるにつれて,自助努力としての民間保険の役割が一層大きくなっている。生命保険の加入時に用いられる臨床検査は,危険査定上の重要な情報であり,それがひいては生保会社の将来の死差益にまで影響を与えて行くのである。生保産業で日々用いられている臨床検査法は,すべて臨床で病院や医療機関で用いられているものであり,生命保険特有の検査というものは存在しないが,今やそのような検査は生保ビジネスでも不可欠の検査法となっている。さらに,生命保険ビジネスでは予後に中心を置くという意味では臨床とは大いに異なるフィロソフィーに立脚している。巷に医的な情報が豊かになり,生活様式も複雑になった現在では,今後あらたなリスクが生じてくる可能性もあり,リスク評価が一層難しくなることを意味している。特にリスク管理の面から,生命保険ビジネスで用いられる検査法は,市場や環境の変化に対応できるように準備されていなければならないと思われる。
- 日本保険医学会の論文
- 2004-09-17
著者
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