経過観察中の子宮筋腫がある女性(学会誌第100巻発刊記念企画)
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概要
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子宮筋腫は性成熟期婦人の20〜40%に生じると記述されることが多いが,明確な根拠を記載した報告は少ない。日本人の子宮筋腫の頻度を文献から推測し,保険契約の引き受けにあたっての危険評価について考察した。今回の検索の範囲では,ピーク時の40〜50歳代でも子宮筋腫の頻度は1〜2割程度の報告が多かった。また子宮筋腫が増加しているかを検討できるデータはなかった。子宮筋腫と診断された中高年婦人は子宮摘出術が施行される頻度も高いことが確認された。悪性疾患の混入は0.2〜0.5%,手術時の合併症による死亡率は0.1〜0.6%と報告されている。手術を意識してから特約を付加して加入する傾向も危険選択上無視できない。子宮筋腫の生命予後は良好で生命危険については標準体若しくは軽度条件体として評価しえる疾患であるが,入院危険に関しては,医学的な判断以外のさまざまな社会的な要因が加わりやすい点でその評価には非常に困難を伴うと考えられた。
- 日本保険医学会の論文
- 2002-12-17