悪性新生物手術後死亡状況について
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概要
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入院給付資料を活用し,悪性腫瘍手術直後の死亡状況を手術術式別,男女別,年齢別等の角度から検討した。観察対象となった契約は1985年度から1990年度に,加入後初めて手術を受けた標準体契約で,かつその手術が加入後4年以内に行われた契約とした。放射線照射も手術に準じて取り扱った。男女別死亡率では男性の死亡率が女性よりも高く特に根治的手術において男女の差が著しかった。手術年齢別では根治的手術後の死亡率は40歳台までは手術年齢にかかわらず,ほぼ5%程度の死亡率を示したが,その後は,加齢とともに上昇していた。術後年数別では,根治的手術において,5年目の死亡指数が381,6年目が354と付保可能な死亡指数を示していた。部位別においては,乳癌,子宮癌が死亡率,死亡指数とも低値を示しており他の悪性腫瘍に比較し予後が良いことが確認された。
- 日本保険医学会の論文
- 1993-12-15