当社における心電図実施状況および入院・死亡状況
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概要
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昭和61年度に実施した心電図の所見を協会発表のコードに従って分類した。心電図実施例の83.3%は標準体と査定されたが,これは社医診査の標準体の割合より低く,心電図検査が循環器疾患の危険排除に有効と考えられた。昭和31年度より60年度の契約のうち,心電図所見により条件体と査定された群の死亡指数は,条件体全体より低値であった。入院発生指数も条件体のうち心電図実施例では低値であり,心電図による査定基準が厳格であったことを示唆する。期外収縮心室性A,左室肥大A,左軸偏位などのコードは単独では標準体と査定される所見であるが,条件体に限ると高い死亡指数であった。合併症が存在する場合には慎重な査定が必要と考えられた。条件体に限定した検討であり,観察対象も異なるが,心電図コードの入院発生指数と死亡指数の間に必ずしも一致を認めなかった。
- 日本保険医学会の論文
- 1988-12-20