慢性腎不全治療法評価を目的とするグアニジノ化合物自動分析法の構築とその臨床応用
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概要
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尿毒症症状を惹起するuremic toxinであるグアニジノ化合物の動態解析を目的として,血清直接注入による迅速自動分析が可能な液体クロマトグラフィー・蛍光検出システムを構築した。本法ではゲル濾過カラムを用いた前処理により,血清タンパク質と,慢性腎不全患者血清中に増加する自然蛍光物質との同時除去が実現し,更にオクタデシルシリカカラム(ODSカラム)を用いたイオン対クロマトグラフィーにより単一移動相での分離が可能となった。本法によって,血液人工透析患者の透析中及び透析前後のグアニジノ化合物の動態を検討し,透析終了後の血中メチルグアニジン(MG)濃度の上昇がクレアチニン(CTN)濃度と相関していることを認めた。これは透析終了後のMGの上昇が血中活性酸素によって支配されていることを示唆する。更に,自尿のある血液透析患者ではMG/CTN比が極めて小さいことを認め,この比をモニターしつつ透析間隔を延長できる可能性を示した。
- 北里大学の論文
- 1998-08-31