低周波電磁波のマウス水晶体への影響
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概要
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低周波電磁波の水晶体への影響をBALB/cマウスを用いて検討した。マウスに100 kHzの電磁波を1,2,3,6か月間曝露し,水晶体中のNa,K,Ca及び,還元型グルタチオンを測定した。6か月曝露群については組織学的にも検討した。曝露1か月では水晶体中のCaが有意に減少し,曝露2か月ではCaは対照群と比較して減少しているものの有意差はなかった。しかし,Naの有意な増加が認められた。曝露3,6か月には水晶体中のCaは有意に増加していた。水晶体中のKは対照群と比較して有意な変動はなかった。還元型グルタチオンは曝露6か月で有意に減少していた。組織学的には赤道部でbow構築の配列の乱れと線維の膨化を認め,前皮質線維,後嚢下線維の膨化が明らかに認められた。以上の結果から,100kHzの低周波電磁波の長期曝露では水晶体に影響を及ぼし,水晶体混濁現象を引き起こす可能性を指摘した。
- 北里大学の論文
- 1996-12-31