Fenitrothion投与後のラット血液活性酸素及び臓器内セレニウムの変動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
有機燐殺虫剤のNon-cholinergicな毒性を解明する目的にてfenitrothionの微量皮下投与(0.2 mg/kg)後のラット血液活性酸素および脳皮質,水晶体,腎臓のセレニウム含有量を測定した。血液活性酸素は投与後7日目までは有機燐剤投与群が有意な上昇(p<0.01)を示した。セレニウムは,脳皮質ではすべての日数で有機燐投与群が有意な低下(p<0.02),水晶体では7日目以降で有機燐剤投与群が有意に低下(p<0.04),腎臓では14日目以降で有機燐剤投与群が有意な低下(p<0.05)を示した。全体的には,21日目まで日を追って低下する傾向を示した。これらの結果より,微量の有機燐剤によってもラット体内の活性酸素が1週間にわたり上昇し,その消去系で重要な存在であるセレニウムの減少がその後も存在し続けることが明らかとなり,有機燐のnon-cholinergicな毒性は活性酸素を介した組織障害の存在が考えられた。
- 北里大学の論文
- 1995-12-31
著者
関連論文
- 第99回 日本眼科学会総会 特別講演I 環境汚染物質などによる眼症 : 特に有機燐剤の視覚毒性について
- Fenitrothion投与後のラット血液活性酸素及び臓器内セレニウムの変動
- Fenitrothion 投与後のラット活性酸素に与えるドコサヘキサエン酸の影響