ロボティクスを応用した膝関節前方動揺性の計測 : 切断膝関節を用いた生体力学的検討
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概要
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膝関節の前後方向動揺性を定量的に測定するためにロボティクスの技術を応用したシステムを開発し,前十字靭帯(以下ACL)の部分,完全断裂に対する診断の可能性について切断膝を用いた実験により検討した。健常膝関節の荷重変位曲線はhysteresis curveを描き,前方剛性は3.82(±0.57)×10^4 N/m(平均値±標準偏差 以下同じ),前方変位量は3.54(±0.60)mm,後方剛性は4.17(±0.51)×10^4 N/m,後方変位量は3.20(±0.29)mmであった。ACL切断実験ではACLを1/4切断した時の前方剛性のみその剛性低下に有意差を認めなかったが,それ以外では全ての切断毎に前方剛性,前方変位の変化に有意差を認めた。特に3/4切断した時の変化は大きく,30°屈曲位においてACLの中央部では前方から3/4の部分に前方制動に重要な線維が存在しているものと考えられた。本システムによってACLの完全断裂のみならず部分断裂の診断も可能であると考えられた。
- 1995-06-30
著者
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