ディーゼル排出ガスを吸入させたラット肺での粒子沈着に関する実験的研究
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概要
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自動車排出ガスによる生体影響研究の一環として,発癌性物質である多環芳香族炭化水素などを含むディーゼル粒子(DEP)について, F344ラットに対する長期吸入実験を行い,肺内に沈着したDEPの挙動の解析を試みた。2対照群および4実験群に対し,大型と小型のディーゼルエンジン排出ガスを1日16時間,過6日,30か月吸入させ,この間,6か月ごとにDEPの肺内沈着量を測定するとともに,30か月時の粒径を測定した。その結果,DEPの肺内沈着量は,被験物質濃度の上昇および吸入期間の延長とともに明らかに増加し,一方,ラットの呼吸量から推定した吸入DEP量に対する沈着率は,吸入初期に高くなるものの,その後は,濃度や期間に影響されず,約6〜13%を示した。また,肺内に沈着したDEPの中位径は,0.28〜0.39μmで,1μm以下のものが90%以上を占めた。なお, DEPの肺内沈着によるクリアランスへの閾値は,およそ2mgと推定された。
- 北里大学の論文
- 1995-02-28
著者
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