兎培養肋軟骨細胞におよぼすサイトカインの影響
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概要
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変形性関節症や慢性関節リウマチの関節液中には,interleukin-1 (IL-1), interleukin-6 (IL-6), interleukin-8 (IL-8)およびtumor necrosis factor alpha (TNFα)などのサイトカインが多量に存在している。今回,各サイトカインの軟骨細胞におよぼす影響,および相互作用を検討する目的で,兎肋軟骨細胞単層培養系にサイトカインを添加し,グリコサミノダリカン(GAG)合成能およびDNA合成能を測定した。IL-1αおよびTNFα単独添加ではGAG合成が抑制され,DNA合成が促進された。この作用はIL-1αの方がTNFαに比べて強力であった。しかし,IL-6およびIL-8単独添加では両合成能ともに影響は認められなかった。さらに,IL-1αと他のサイトカインを同時に添加するとTNFαのみにGAG合成能の相加作用が認められた。従って,軟骨細胞のプロテオグリカン合成系に対してIL-1αおよびTNFαは抑制因子として働くが,IL-6およびIL-8は直接作用を有していないと考えられた。
- 北里大学の論文
- 1992-02-29