円筒釘ねじ横止め法により治療した大腿骨粉砕骨折の下肢アライメントの検討
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概要
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大腿骨粉砕骨折に対し,閉鎖性髄内釘法による骨接合術を行う場合,下肢のアライメント,特に回旋転位を正確に整復,固定することは困難な事が多い。そこで円筒釘ねじ横止め法により治療した大腿骨粉砕骨折35例に追跡調査を行い,下肢アライメントの変化の程度,およびそれがADL制限等におよぼす影響について検討した。その結果アライメントの変化にはかなりのバラツキがあり,特に回旋変形については極く軽度のものを含めると80%の症例に,大腿骨の前捻角に左右差を認めたが,アライメントの変化とADL制限および変形性関節症の発生との間に明らかな相関は認められなかった。しかし,これらの外傷が若年者に多いことから,アライメントの変化を長期間放置することにより,隣接関節に影響を生じることは容易に考えられ,より正確に,整復,固定する必要がある。そこで,術中回旋転位を整復する方法を考案し,平均6°と回旋変形を減少させることができた。
- 1992-02-29