20cmの台高を用いたステップテストの運動負荷法としての妥当性 : 中年男性を対象とした場合
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では、41歳から56歳の健常な中年男性12名(40代5名、50代7名)を対象に、20cmの台高のステップテストを15回/分、20回/分、25回/分の昇降速度で行わせ、各昇降速度でのステップテスト中の酸素摂取量の個人差について検討した。また、合わせて、ステップテスト中の各昇降速度とその時の酸素摂取量との間の相関関係(直線関係)についても検討した。そして、これらの検討を通じて、中年男性を対象とした全身持久力推定のための運動負荷法としての20cmの台高のステップテストの妥当性について検討した。得られた結果は次のとおりである。1.ステップテスト中の酸素摂取量の変動係数は、6.2〜7.3%の範囲内であり、先行研究や自転車エルゴメーターにおける変動係数と同等か、それよりやや低い値を示した。2.ステップテスト中の各昇降速度とその時の酸素摂取量の平均値との間には、極めて強い正の相関関係(r=0.9999、p<0.001)が認められ、両者の間には直線関係が成立した。また、被検者各人のステップテスト中の各昇降速度とその時の酸素摂取量との間の相関係数は、全例0.9848以上であり、被検者各人においても、両者の間には直線関係が成立した。以上のことから、40、50代の中年男性を対象とした20cmの台高のステップテストにおける酸素摂取量の個人差は少ないことが明らかとなり、全身持久力推定法としての前提条件を満たすことが示唆された。また、ステップテスト中の昇降速度と各昇降速度における酸素摂取量との間には、直線関係があることが確認され、1次回帰を用いて、全身持久力の推定が可能であることが確認された。したがって、本研究で用いた20cmの台高のステップテストは、中年男性を対象とした全身持久力推定のための運動負荷法として妥当であることが示唆された。
- 山口大学の論文
- 2003-12-20