有機燐農薬 Fenitrothion の家兎組織内残留
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概要
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有機燐剤の生体内残留試験は血液,尿,脂肪組織で行われるが,それ以外の組織では残留試験の報告がなされていない。今回Sep-Pak tC18 cartridge を用いて,家兎の血液,尿,脂肪組織,網膜,ぶどう膜,水晶体,硝子体,視神経,坐骨神経,大脳,小脳,脳幹,肝,皮膚からの有機燐農薬 Fenitrothion の抽出を試み,ガスクロマトグラフィー(FPDGC)による分析にて81%以上の良好な回収率を得た。50mg/kg の Fenitrothion を10匹の成熟白色家兎に皮下1回投与し,2匹ずつ経日的に放血致死させ,各組織内濃度を上記方法にて測定した。投与後70日目で血液,尿,脂肪組織,硝子体で残留量が 0.01ppm 以下なのに対し,視神経:0.42ppm,網膜:0.23ppm,大脳:0.14ppm,坐骨神経:0.13ppm,小脳:0.09ppm と高濃度の残留が認められ,他の組織でも0.01ppm以上の残留が認められた。
- 北里大学の論文
- 1992-10-31