子宮内膜症に対するダナゾールの一次ならびに遠隔治療成績
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概要
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子宮内膜症患者226例に Danazol 療法を実施し,一次効果,副作用,治療終了後の遠隔成績,不妊治療としての効果,ならびに妊娠例の転帰について検討し新しい知見を得た。一次効果は月経痛90.8%,過多月経83.3%,性交痛94.2%,排便痛92.3%,Beecham 分類75.0%と優れた改善率を示した。子宮腺筋症例では,93.5%の症例に縮小効果を認めた。しかし,子宮筋腫例では効果を認めなかった。副作用では,体重増加が84.2%,肝機能異常が17.4%に出現したが重篤なものは認められなかった。遠隔成績では腺筋症例の再発率が42.9%と高かった以外は良好であった。不妊症例40例のうち19例が妊娠し47.5%の妊娠率であった。排卵の回復時期は平均20.6日であった。治療後最初の排卵で妊娠した症例中44.4%が流産を来たしたが,排卵2回目以後に妊娠した症例群では流産は認められなかった。2回目以降の排卵での妊娠が推奨される。
- 北里大学の論文
- 1991-08-31