VX2移植実験肝癌に対する経脾動脈的門脈内反復注入法による化学療法の効果と有用性
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概要
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抗癌剤(MMC)の,経脾動脈的門脈内反復投与療法による,肝転移形成初期の癌細胞の発育・増殖抑制効果を検討する為に,無治療コントロール群・化学療法3日群・同7日群の3群間において,日本白色家兎の肝被膜下にVX2腫瘍細胞を注入し,7日目に犠牲死させ,移植部位における生着及び発育の,肉眼的腫瘍形態・組織像・血液学的変化・生存日数などを検討した。肉眼的腫瘍形態では,門注群で明らかに腫瘍数が少なくかつ小さく,組織学的検索でも腫瘍細胞数が少なかった。血液学的には,各群とも大差なかった。生存日数には各群間で際立った差を認めなかったが,死後肝重量の計測では,門注群の腫瘍量が少なく,肝重量は明らかに少なかった。以上より,肝転移形成初期における,MMCの経脾動脈的門脈内反復投与は有用で,その副作用も少ないことが判明した。今後,Seldinger法による経脾動脈的門脈内注入法が臨床的に可能であることが示唆された。
- 北里大学の論文
- 1990-10-31
著者
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