C57BL/6由来の変形性関節症マウスにおけるII型コラーゲンおよびプロテオグリカンに対する免疫反応の関与
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概要
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変形性関節症の発症原因の一つとして免疫機序の関与-中でもII型コラーゲンおよびプロテオグリカンに対する免疫応答が推察されている。今回,変形性関節症完成時におけるこれらの軟骨基質成分に対する免疫反応の意義を検討する目的で変形性関節症を自然発症する C57BL/6 マウス(以下 C57BL マウス) を用いて,II 型コラーゲンおよびプロテオグリカンに対する液性ならびに細胞性免疫を測定するとともに病理学的検索を加えた。病理組織学的には25か月齢の C57BL マウスの膝関節に変形性関節症の所見をみたが,関節軟骨表面には IgG の沈着は認めなかった。血清中抗II型コラーゲン抗体および抗プロテオグリカン抗体は検出されず,また,II型コラーゲンおよびプロテオグリカンに対する細胞性免疫も認められなかった。従って,C57BL マウスでは病変が完成したと考えられる時期において II 型コラーゲンおよびプロテオグリカンに対する免疫応答は重要な役割を果たしていないと考えられた。
- 北里大学の論文
- 1990-08-31
著者
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