瞳孔径決定因子の力学的解析 : 老人性縮瞳の機序について
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概要
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瞳孔運動は,交感神経及び副交感神経とそれにより支配される瞳孔散大筋・瞳孔括約筋の拮抗作用により成立するといわれている。今回,筆者は,交感神経の受容器遮断剤である0.5% Thymoxamineと副交感神経遮断剤である0.5% Tropicamideを点眼薬として,使用し,点眼前の瞳孔径と点眼後の瞳孔径を写真撮影し,Mapstoneの解析方法に従い,a:瞳孔中心から虹彩根部までの長さb:瞳孔径(半径) f:aとbの差単位mmの各パラメーターを点眼前後で比較することにより,瞳孔の散大力(D),瞳孔の収縮力(S),単位は共にλ,を求めた。それらから加齢にともない,瞳孔の収縮力よりも散大力が小さくなり,相対的副交感神経優位が老人性締瞳の一因になることが推察された。
- 1989-12-31