羊水抗菌作用に関する研究 : 特に妊娠各時期の特異性,培養温度・抗生物質添加による抗菌作用への影響について
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概要
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羊水の抗菌作用を妊娠各期の羊水を用い,近年周産期感染症で重視されている E.coli,S.aureus,B.fragilis の各菌種株に対してプレートカウント法にて検討した。妊娠正期羊水の抗菌作用は全体として87%に認め,E.coli (77%),5.aureus (51%),B.fragilis (19%) の順に強かった。妊娠28〜36週の羊水でも全体の83%に抗菌作用を認め,s. aureus (66%),E.coli (41%)の順で作用が強く,B.fragilis に対しては抗菌作用は認めなかった。妊娠16〜21週の羊水では,いずれも抗菌作用は認めず,培養温度を上昇させることによりE.coli に対し抑制効果を認めた。羊水抗菌関連物質では lysozyme 関与の可能性が高かった。抗生物質の添加により抗菌作用は増強し,培養温度を上昇させることにより,さらに増強した。このことは経母体抗生物質投与による羊水の抗菌作用も強く認めたことからも host defense mechanism の重要性が示唆された。
- 北里大学の論文
- 1989-04-30
著者
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