全身性エリテマトーデスにおけるリウマトイド因子の臨床的意義
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概要
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全身性エリテマトーデス(SLE)におけるリウマトイド因子(RF)の臨床的意義を解明する目的で,SLE170例(男性12,女性158例)を対象とし,家兎のIgGを抗原とするenzyme-linked immunosorbent assay (ELISA)を用いてIgM-RF,IgG-RFを定量的に測定し,RFと臨床所見および他の自己抗体との関連について検討した。IgM-RF陽性は88例(高値陽性47例,低値陽性41例)で,IgM-RF高値陽性群では腎症,ネフローゼ症候群,顔面紅斑,光線過敏症,口腔潰瘍,脱毛,血小板減少症,BFPの出現頻度は陰性群より有意に低率,抗n-RNP抗体,抗SS・B抗体,抗r-RNP抗体の出現頻度は有意に高率であった。IgG-RFは30例で陽性で,IgM-RF高値陽性でもIgG-RF陽性の場合には,IgG-RF陰性例より腎症は有意に高率,IgM-RF陰性でもIgG-RF陽性の場合はIgG-RF陰性例よりも抗DNA抗体の高値例,リンパ球減少,抗SS・A抗体は有意に高率であった。IgM-RF陽性SLEは非腎症のsubsetを構成し,SLEではIgG-RFは腎障害性を有する可能性がある。
- 北里大学の論文
- 1989-02-28
著者
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