ChlorpromazineおよびImipramineの血小板凝集抑制作用に関する研究
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概要
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向精神薬chlorpromazine (CPZ), imipramine (IMP)の細胞生理学的作用機序の解析を目的として,ヒトおよびウサギの血小板凝集反応を用い,in vitroにおけるこれら薬物の効果を検討した。CPZ, IMPは用量依存的に,5-hydroxytryptamine凝集,epmephrine二次凝集,collagen凝集,thrombin凝集を抑制し,ヒトのADPによる不可逆的凝集を可逆的凝集に変えたが,arachidonic acid (AA)凝集やウサギADP凝集は抑制しなかった。bromophenacyl bromideの効果はCPZと同様であったが,indomethacinはAA凝集も抑制する点で異なった。以上から,CPZ, IMPの血小板凝集抑制の機序はAA代謝に関与するが,cyclooxygenase抑制やthromboxane A_2合成阻害ではなく,またprostaglandin (PG) I_2やPGD_2のような凝集抑制とも異なり,血小板膜におけるAA遊離までの過程の抑制で,phospholipase A_2の活性化抑制が強く示唆された。また,向精神薬間の効力比などから,この生体膜に対する作用は中枢神経でも同様である可能性が推察された。
- 北里大学の論文
- 1979-12-31
著者
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