病態心における心筋層内冠分枝構築 : 特に樹脂鋳型標本を用いた三次元的検討
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概要
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冠状動脈造影上から分類された class A (branching type)・class B (straight type) の心筋層内冠分枝は,メタアクリル樹脂を用いた鋳型標本にても証明され,さらに基本的にはclass Bであるが,class A の性格を併せもつ混合型の存在が指摘された。これらは,左右,心外膜下,心内膜下で吻合形成を示し,この中で,主にclass B の末梢より形成される心内膜下を縦走するsubendocardial anastomosing arcade は,肉柱及び心内膜直下心筋層の栄養血管の性格を持つ。高度な冠状動脈硬化を伴う肥大心では,これら副血行路の著明な形成と改変を認め,冠循環上形態的な代償像を呈するが,機能的予備能の低下が示唆された。梗塞発現には,この改変像を背景にclass Aの虚脱が特徴的で,一方,比較的早期より梗塞巣内にclass Bを介した血行路の再開像を認め,梗塞の修復と臨床的予後は,class Bを中心とした副血行路の形成により左右されることが証明された。
- 北里大学の論文
- 1984-10-31
著者
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