フェントラミン,ニトログリセリンを用いた低体温麻酔の基礎的研究
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概要
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本研究ではα受容体遮断薬フェントラミンの超低体温麻酔における抗不整脈作用の機序を究明するとともに,血管拡張薬ニトログリセリンに同様の効果を期待できるか否かを検討した。雑種成犬15頭を,対照群,フェントラミン群,ニトログリセリン群の3群に分け,単純表面冷却法による超低体温実験(20℃)を行った。フェントラミン群では不整脈を認めず, 心拍出量は維持され,全末梢および肺血管抵抗は増加しなかった。ニトログリセリン群では冷却効率の向上について効果を認めたが,抗不整脈作用の点では不確実であった。フェントラミンの抗不整脈効果は低体温時においても確実に期待できる末梢循環の保護作用に因ると考えられた。また低体温時の低カリウム血症は不整脈の原田ではなく安定した循環動態の結果的表現であることが推測された。低体温麻酔における血管拡張薬としてはフェントラミンがニトログリセリンより優れていた。
- 北里大学の論文
- 1984-06-30
著者
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