β-glycerophosphate (β-GP)並びにD-ephedrinephosphate (DEP)を基質とした前立腺内の酸性フォスファターゼ(AC-P)の組織化学的研究
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概要
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光学顕微鏡並びに電子顕微鏡を用い組織化学的手技にて,ラット前立腺の酸性フォスファターゼ活性(AC-P)につき,基質をかえることによりライソゾーム由来の活性(Lysosomal AC-P)と分泌顆粒由来の活性(Secretory AC-P)との区別が可能か否かを検索した。その結果,成体において基質と反応時間を組み合わせる事により区別が可能であることが判明した。又,生後0日から成体に近づく生後30日まで経時的に2種類の基質を用いて比較検討することにより成体の所見とあわせて,β-GPは主としてライソゾームに,DEPは主に分泌顆粒に存在するAC-Pと反応する事が確かめられた。Lysosomal AC-Pは生後0日より出現するが,Secretory AC-Pは生後7日頃より出現し,日齢と共に増加する事がわかった。前立腺腫瘍の早期診断として,前立腺の機能や分泌様式を解明する手段しとて,特にSecretory AC-Pの定量は極めて大切であり,その点DEPは現段階では最も適した基質と考えられる。
- 北里大学の論文
- 1982-12-31